額面30万円の手取りはいくら?2026年(令和8年)の料率で計算してみた

「額面30万円」と聞くと、毎月30万円が手元に残るように感じますが、実際にはそうなりません。 令和8年度(2026年)の保険料率で計算すると、額面30万円の手取りは約249,800円、 額面の83.3%程度になります。本記事では、何にいくら引かれているのかを公式データから整理します。

この記事の前提

  • 東京都・協会けんぽ(全国健康保険協会)加入を想定
  • 40歳未満、扶養親族なし、賞与なし、住民税は含みません
  • 令和8年度(2026年)の保険料率を使用
  • 標準報酬月額の等級区分に基づく計算です

結論:額面30万円の手取り額

項目 金額
額面(税込月給)300,000 円
健康保険料−14,775 円
厚生年金保険料−27,450 円
雇用保険料−1,500 円
子ども・子育て支援金(令和8年新設)−345 円
所得税(月額換算)−6,088 円
手取り額249,842 円

差し引き合計は 50,158円。つまり毎月約5万円が、給与から天引きされていることになります。

住民税を考慮すると

上記には住民税が含まれていません。住民税は前年の所得に対して課税されるため、 入社1年目は発生せず、2年目以降に概ね年収の10%程度が天引きされます。 額面30万円(年収360万円)の場合、住民税は月額おおむね3万円前後となるため、 実際の手取りは月22万円前後になるのが一般的です。

社会保険料の内訳:半分以上が厚生年金

社会保険料44,070円の内訳を見ると、厚生年金保険料が62.3%を占めています。 「保険料」と一口に言っても、その大半は将来の年金の原資であることがわかります。

厚生年金保険料27,450円(62.3%)
健康保険料14,775円(33.5%)
雇用保険料1,500円(3.4%)
子ども・子育て支援金345円(0.8%)
図:額面30万円(40歳未満・東京・協会けんぽ)の社会保険料44,070円の内訳
出典:全国健康保険協会・日本年金機構の令和8年度料率より算出

額面別の手取り早見表

同じ条件(東京・40歳未満・扶養なし・住民税除く)で、額面ごとの手取りを計算しました。

額面(月給) 社会保険料 所得税 手取り 手取り率
200,000円29,3803,264167,35683.7%
250,000円38,1444,604207,25282.9%
300,000円44,0706,088249,84283.3%
350,000円52,8347,682289,48482.7%
400,000円58,76010,549330,69182.7%
500,000円73,45017,217409,33381.9%

なぜ手取り率が一律に下がらないのか

表を見ると、手取り率は額面が上がるほど単純に下がっているわけではありません。 額面25万円の手取り率(82.9%)が、額面30万円(83.3%)より低くなっています。

この理由は標準報酬月額の等級区分にあります。社会保険料は実際の給与額ではなく、 一定の幅で区切られた「標準報酬月額」をもとに計算されます。額面25万円は「25万円以上27万円未満」の区分に属し、 標準報酬月額は26万円として扱われます。その結果、額面に対する保険料の負担割合が 額面30万円の場合より相対的に高くなるのです。

つまり、「給与が上がったのに手取りが増えない」という現象は、等級の区切り付近で起こりやすくなります。 昇給のタイミングで手取りを確認する際は、この仕組みを知っておくと驚かずに済みます。

40歳の壁:介護保険料が加わる

40歳に達すると、介護保険料が新たに加わります。令和8年度の介護保険料率は1.62%(本人負担0.810%)で、 額面30万円(標準報酬月額30万円)の場合、月額2,430円が追加されます。

年齢区分 社会保険料 手取り
40歳未満44,070円249,842円
40歳以上65歳未満46,500円247,536円

差額は月2,306円、年間では27,672円になります。 40歳の誕生月(正確には40歳に達した月)から天引きが始まるため、給与明細を見て驚く方も少なくありません。

2026年の変更点:子ども・子育て支援金が新設

令和8年(2026年)4月分から、「子ども・子育て支援金」が新設されました。 料率は0.23%(本人負担0.115%)で、額面30万円の場合は月345円の負担です。

金額としては小さいものの、従業員の給与からも天引きされる点が従来の子ども・子育て拠出金 (0.36%、事業主が全額負担)と異なります。また、これと同時に雇用保険料率も引き下げられており (本人負担0.55% → 0.5%)、両方を合わせた負担増は限定的です。

自分の手取りを計算してみる

ここでは額面30万円を例に計算しましたが、年齢や扶養家族の有無、お住まいの都道府県によって金額は変わります。 健康保険料率は都道府県ごとに異なるため、東京以外にお住まいの方は料率が変わります。

データ出典

この記事で使用したデータ

  1. 健康保険料率 9.85%(東京・令和8年3月分〜)/介護保険料率 1.62%/子ども・子育て支援金率 0.23%(令和8年4月分〜)/ 全国健康保険協会 協会けんぽ / 令和8年度保険料額表
  2. 厚生年金保険料率 18.3%(本人負担9.15%)/日本年金機構 / https://www.nenkin.go.jp/
  3. 雇用保険料率(一般の事業)13.5/1000、うち本人負担 5.0/1000(令和8年4月〜)/厚生労働省
  4. 標準報酬月額等級表(東京都・令和8年4月適用)/全国健康保険協会 協会けんぽ

※ 取得日:2026年9月1日/計算は標準報酬月額の等級区分に基づく/扶養控除・配偶者控除等は考慮していません

この記事の信頼度: ★★★★☆ 保険料率・等級表は政府統計・公的機関(S級)に基づく。ただし所得税は簡易計算であり、扶養控除等を考慮していないため★4つ

よくある質問

額面30万円の手取りは、なぜ22万円くらいと言われることがあるのですか?

住民税の扱いが異なるためです。本記事の249,842円には住民税が含まれていません。 住民税(概ね年収の10%程度、月額約3万円)を差し引くと、実際の手取りは月22万円前後になります。 入社1年目は住民税がないため、同じ額面でも手取りが多くなります。

賞与(ボーナス)からの天引きも同じ計算ですか?

いいえ、異なります。賞与には「標準賞与額」という別の上限(健康保険は年間573万円、厚生年金は1か月150万円)が 設定されており、計算式も月給とは異なります。

東京以外でも同じ金額になりますか?

健康保険料率は都道府県ごとに異なるため、金額は変わります。例えば令和8年度は神奈川9.92%、埼玉9.67%と、 東京(9.85%)と差があります。お住まいの都道府県の料率で計算することをおすすめします。

会社が健康保険組合(组合健保)の場合は?

料率が異なります。協会けんぽの料率は都道府県ごとに決まっていますが、健康保険組合は組合ごとに料率を設定しており、 一般的に協会けんぽより負担が低い傾向があります。正確な金額は勤務先の給与明細でご確認ください。

ご利用にあたって

本記事は、公的機関の公開資料に基づく一般的な情報提供を目的としています。 税務・法務・金融に関する個別の助言ではありません。掲載数値は2026年9月1日時点の料率に基づく計算値であり、 実際の金額は扶養家族の状況、加入する健康保険、賞与の有無、年末調整の内容により異なります。 正確な金額は給与明細・源泉徴収票、または勤務先の経理担当者にご確認ください。

更新履歴

  • 2026年9月1日:初回公開(令和8年度料率に対応)